日本政府によるムーサ・アブドラ弁護士入国拒否について
同弁護士から声明が届く
(平成27年5月14日)
4月30日、一水会木村三浩代表は、故後藤健二さんの御母堂石堂順子さんとともに記者会見に臨み、湯川遥菜さんと後藤健二さんのご遺品ご遺骨の帰還をめぐって、ダーイッシュ(IS)と交渉にあたってきたヨルダン人弁護士、ムーサ・アブドラ氏が日本政府より入国を拒否されていることを報告しました。
ムーサ・アブドラ氏は来日して関係者と会い、交渉経過を報告し、返還のための諸条件を詰めるため、4月10日アンマンの日本大使館でビザを申請、しかし日本政府は22日に氏のビザ発行を拒否する旨をムーサ・アブドラ氏に連絡しました。その理由は明らかにされていません。
木村代表は、協力してくれている国会議員有志がこの措置に対して、人道的見地から許されないことだと外務省に抗議し、そこで、外務省のテロリスト対策室と邦人保護課の職員から「理由は言えない。官邸と外相の決済である」との返答がされたとも聞き及んでいます。
ムーサ・アブドラ弁護士は2014年に人質となったスペイン人ジャーナリスト二名が無事解放された際に尽力した人物です。日本政府はダーイッシュ(IS)との交渉をイスラム法学者ムハンマド・アル・マクデシィ氏に依頼したとしていますが、現在マクデシィ氏はダーイッシュのテロ対象である人物です。また、ムーサ・アブドラ弁護士はマクデシィ氏とも交流があり、対ダーイッシュ交渉に詳しく、そのことを考えれば日本政府は自らの不作為や失策を隠蔽するためにムーサ・アブドラ弁護士の来日を妨害しているのではないかとも思われます。
氏はこの経過を踏まえ、木村代表との国際電話で「日本人のために努力してきたが、アンハッピーである」と話しました。
木村代表は遠からずトルコもしくはアラブ周辺国にてムーサ・アブドラ弁護士と会い、どうすれば遺骨返還が可能か、今後の展開を検討する予定です。
以下は5月1日にムーサ・アブドラ氏より届いた声明文です。